近藤聡乃 - 電車かもしれない(たま)
今日は聴いてほしい曲、いや"見てほしい"曲から始めます。
もうサムネイルからして、気になる感じ。
先日 "たま" のことをここで書いて、その時はデビュー当初の曲を紹介しましたが、この曲のこともぜひ書きたかった。
このミュージックビデオは『電車かもしれない』という"たま"の曲に、近藤聡乃(こんどうあきの)さんが製作したアニメーションがついています。じつはこれ、近藤さんが多摩美術大学の学生時代に、その卒業課題として製作したものだというのです(ネット情報の受け売りですが)。
そして数年を経て、それが"たま"のオフィシャルのMVになるという、なんとも稀有なエピソードを持っているビデオなのです。ただその珍しい世に出るまでの経緯も、この映像を見れば納得。うたも映像もタダモノじゃないのが一発で分かるという作品だと感じました。互いの輝きが魅かれあったんですねえ、すごい。
昭和……いや、大正か? と生きてもいない時代の空気を思わせる『和』の、すこしエロチックさを感じる作風は中学生の時に国語の教科書で習ったことのある米倉斉加年氏の絵を思い出しました。
そして不穏な印象を持たせる世界観は、『洋』のエドワード・ゴーリーの作品を思い出しました。
(どちらも本屋でペラペラってしたことがあるくらいですが)
でも、はっきりくっきりした線の太さや、洗練された動きなんかはモダンにも思えるんです。とても不思議な魅力を持った映像だと思います。(他の作品もとても魅力的・魅惑的です)
楽曲の方に話を移すと、この曲は"たま"名義ではありますが、作詞作曲、歌、そして演奏に至るまですべて知久寿焼さん(おかっぱの人)が演っていますので、ほぼ個人の曲とも言えそうです。冒頭の「僕がいまここにいないこと、誰も知らなくて」という言葉の選択に驚かされます。
歌声は本当に唯一無二。弾き語りの映像見ると生の歌声も変わらぬクオリティ。すごい。ギターも本当にうまい(飲んでるはずなのに!)。
いやあ、ホントかっこいいですよねえー……とはあんまりならないんですが! でも魅力的。

これは、MJTのレリックストラトボディです。
いわゆるレリック加工というものは、ダメージジーンズみたいなものでして、新品の状態でありながら経年による傷みや、長年使用されてきた雰囲気を味わえるように、新品の時点でそういう加工を加えたものです。
楽器を扱う(弾く)人たちの中には、もちろんわざとこういう加工をすることに抵抗のある方もいらっしゃるとは思います。
ジーパンに関して言いますと自分もそうでした。
20代のころ僕の一着しかないジーパンは、本気でズタボロでしたので、わざとそんなしてる人(とジーパン)に対して「へん、俺のはホントやもんね」とちょっと『わざと加工したらいかんやろうもん』という感じでいましたことを告白します。
でも、ギターになると違ってですね、今思い出せば、中学生の僕はTokaiのサンバーストのストラトをVooDooな気持ちで、不良のナカオ君のライター(彼、タバコ吸うから)を借りて焼いてましたもんね。
でもニトロラッカーと違って、ポリ塗装のTokaiはぜんぜん焼けなくて、なんかジーッと数十秒熱してやっとポツポツと水ぶくれ(火ぶくれ?)みたいなんができるくらいでした。
ぜんぜん思ったみたいにメラメラならないので、なんやーと思って、がすがすコンクリに当てたりして、やっとちょこっと塗装剥げたかなー、くらいのもんでした。
まあそんなして、ギターにはそんなわざとの仕打ちをする人間だったのです。ほいでも布のジーパンとなんか意外と頑丈なエレキギターじゃ、自然にズタボロになるまでにかかる時間にちがいがありますので、心境としても違うのかなと思っとります。
ちなみに僕のジーパンはすそも引きずるくらいに破れ、ヒザは裏のつながっている部分の方が短いくらいで、履くときに間違えてそこから足が出てはまた破れがひどくなっていくというありさま。カギでも財布でもなんでもギュウギュウ詰めてましたのでポケットも破裂してふとももへ貫通。それを忘れて歩きながらポケットにケータイを入れたら、そいつがスルっとふとももを通りすぎてヒザの穴から出てきて、その出てきたたやつ(ケータイのこと)を自分で蹴とばして、シューッとフロアを滑っていくのを「待ってー」て追いかける25歳イマムラのゲーセンのひと風景ということもありましたね。
こっからは少しマジメな話なのです(はよせい)が、先日お客様より、レリックボディを注文したいが気に入ったレリック具合から変化しないようにMJT(塗装屋さん)に強度を上げてくれるようお願いできないか、という話がありました。
なるほど、せっかく今はいいかんじでカッチョいい剥がれ具合なのに、経年でそれ以上どんどんレリックが進んでしまいには丸裸みたいになったら、それはさみしいもんです。分かる~、って思いました。

ただ、MJTのボディはそういう剥がれやすさがある塗装だからこそあのレリック感が出せてるんですね。剥がれやすいというのは、塗装が硬いのです。
これを専門的には塗装の可塑性という(らしい)のです。かそせい。可塑性というのを僕は『塗装の弾力』と解釈しています(「違う」という意見は聞こえません)。
塗装の硬さが柔らかくなってくると、傷もつきにくく、経年や環境の変化も受けにくくはなります。まあ柔らかいと言ってもフニャフニャとかではなくて、そうですねえ、アメ玉でも噛んですぐパキャっと割れるようなキシリトール系とかチェルシーみたいなやつから、そんなにすぐには割れずに歯形がつくくらいの弾性を持ったやつ(何があるかなー、思いつかん…)があるじゃないですか。そんな感じです。
ちなみに『銀歯殺し』の異名をとる"ミルキー"は、あれはちょっと論外の柔らかさですので塗装のたとえ候補からははずします(なんのこだわりや)。
まあ、メーカーがお店にギターを販売して(卸して)、お店がギターを在庫で持ってお客さんに販売する中で、新品のギターにウェザーチェックが入ったりちょっとしたことで塗装が欠けたりするようなことがあるとすれば、それはそれは困ったことだろうと、販売店経験の実体験を思っても、メーカーとしても多少柔らかめの塗装にシフトしたのかなと思っています。
そんなレリック塗装事情がありますので、これ以上ひどくなるかならないかはユーザー次第という扱いかたで付き合っていく、ということになります。
でも、見た目の話だけではなく、実はMJTのこういう剥がれやすい硬い塗装というのは音質にも関係しているとイマムラは断言してしまうのであります! MJTのボディは新品でも鳴りのいいものが多いのです。
これは「木が呼吸するからラッカーがいい」とかいう巷でよく聞く話はあんまり実感のないイマムラも、厚いポリ塗装よりラッカーの方がいいと思っている理由です。(だから、ぶ厚くて柔らかいラッカー塗装はぜんぜんいいと思わない)
ちなみにニトロセルロースラッカーの塗装は、本当にすぐ火がつきますので、家でメラメラしたら危ないので、ステージの上だけにしておきましょう。
阪神の選手の引退セレモニー見て、もう感動しまくって、おっさんは一人でテレビに拍手して鼻かんでました。日本一いくどー!
今日もブログを読んでくださってありがとうございます。
SPOON 今村

